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発行人の日記

大学生に世界地図を描いてもらった

2018年08月

大学生に世界地図を描いてもらった

という題名の、私の文章が検索で引っかかってきました。日付を見るともう10年も前、知らぬ間に知らぬ人のブログに転載されて残っている。ネットとは不思議なものだ。

都内の私立大学の学生を相手に就職対策の作文講座を頼まれて、その頃に書いた戯文なのだが、あらためて読んでみると当時の学生たちの様子が目に浮かんで我ながら面白く読めました。以下、ちと長くなりますが。

・・・先々週から先週にかけて、東京の某大学で作文の集中講義をやったのですが(夏休みなのに!)、あるとき、時間が余ったので、思いついて学生に世界地図を描いてもらったんですね。
「エー、世界地図描けねえな・・・」とか、ぼやきながら
それでも嬉々としてボードに向かう学生諸君でした。文句も言わず、ほんとに素直ですね。
10数人の学生に、分かるところだけでいいからと順々に描かせて、後ろのひとが間違いに気付いたら上書きしてもらうことにした。
最初にしぶしぶ描かされた学生の世界地図は、5大陸の輪郭が分かる程度。
ユーラシアの東(シベリア以東)は不鮮明で、ほとんど中国がない!そのくせ、日本は大きく立派に描かれている。意外に愛国心旺盛だが、領土問題になりそう。
一番、修正を重ねたのは、なぜかオーストラリアだった。せっかくワタリガニふうのオーストラリアが描けたのに、次の学生が無情にも消し去って、とんでもない地図に描きあらためられ、全員爆笑もあった。
学生が描いた世界地図で気がついたこと、いくつか。

1)アフリカ大陸の孤立
大陸がかなり下に描かれて、ヨーロッパとのつながりが皆無。ジブラルタルのあたりは、相当の距離があり、海峡どころではない。アラビア半島との間も、大きな海が横たわっている。

2)ロスとNY所在の、あいまい
主要都市を地図に入れさせた。彼らの感覚では、東海岸も西海岸もなさそうだ。ついには、東海岸にNYがあり、その南にロスという結論になった。アメリカ文化の象徴的都市も、彼らの手にかかると、惨めな存在感だ。

3)東南アジアの、モヤモヤ
みんな、知らないんだねえ、東南アジア。マレー半島も、インドネシアも、フィリッピンも、彼らの頭の引き出しには存在しないらしい。当然のことながら、上海、台湾、香港の位置関係がでたらめ。もう・・・どうなってるんだか。

4)北と南の、大騒ぎ
北極圏近くになると、さっぱり分からない。アイスランド、グリーンランド、カナダ北部の消滅。最初はスカンジナビア(スエーデンとかの)すら存在しなかった。南も認識の外。アフリカの下がどうなっているのか、たちまち大騒ぎになった。

ウーン、こんなものかな。これが大学生の平均とはいわないが、かなりジッタイには近いでしょう。そんなわけで、笑いっぱなしの楽しい時間を過ごしました。学生諸君も、楽しかったらしい。翌日には世界地図を持ってきた学生が何人もいましたよ。休み時間はそれを囲んで盛り上がって、じゃあ、次回は日本地図をやろうかっていったら、ああ、もう勘弁と言いながら、案外やりたそうな表情。こういう頭の体操、グダグダした夏には、けっこういいですね。

以上。長々と失礼しました。

2018.1.5

  

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